どんどや

30年以上続く行事

毎年恒例の隣保組のどんどやは1月9日に行われた。

記憶にある限り私が30歳ころから行われているので30年以上になるだろうか。自分にとっては正月の行事として定着しているのでこれまで一度も欠かさず参加した。東京に単身赴任していた8年間も会社には何か理由をこさえて「どんどや」に参加してから上京していた。

この行事を行わないと新年を迎えた気にならない。青竹が勢いよく燃える炎を全身に浴びていると穢れや邪気が焼き尽くされるような気になる。

それから孟宗竹でつくったかっぽ酒の美味いこと! 皆でかっぽ酒を飲みまわし、飲みただれていた。午前8時から竹を切り出し組み立て作業を行い正午ごろ着火し夜まで酒盛りをしていた。 自分は途中でつぶれるので夜まで飲んだ記憶はほとんどないが 酒が強い人たちはよもやま話に花を咲かせ夜遅くまで飲んでいた。

様変わり

それが去年からコロナによりだいぶ様替わりした。 いつものBBQは行わず各自に缶ビールやジュースつまみが配られ、密を避けて2時間半ほどで切り上げる。

おかげで昨年今年と二日酔いはならないがなんだか寂しい。それと高齢化が進みだんだん参加者が減ってきた。特に私の親の世代が80歳代後半から90歳代となり亡くなられたり、体が不自由になられたりしている。

田舎の小さい集落なので小さいころからよく知っているし、遊んでもらったり、お小遣いもらったり、悪さして怒られたりしたものだ。 自分の親ではないがなくなられたりするととても悲しく寂しい。

吉兆

昨年のどんどやの日は雪が降り風も強くとても寒かった。 コロナ禍で暗い世相のなかあいにくの天気で心が重くなる。 

しかし今年は違う。 朝から透明感のある美しい青空だ。 風もない。 早朝はかなり冷え込みあたりは霜で真っ白だった。 日が昇り始めるとどんどん気温があがり竹の伐採作業中汗ばむ。 今年は事前にかなり竹を切ってあったので午前10時に組み立て作業が完了した。 11:00に着火した。 晴天無風の中「どんどや」の炎と煙が立ち上る。

なんと今年は煙と炎がほぼまっすぐたち昇っているではないか! これまでこの様な光景は見たことがない。 なにかとてもいい感じだ。 誰にも言わずこれは吉兆だと心に呟く。