空を広げる
現在4月からのキャンプサービス本格営業開始の準備中です。その準備の一つの目玉としてキャンプサイトの「空を広げる工事」に昨年12月から着手しました。
説明しますとキャンプサイトの北側が山林となっていました。 キャンプサイトを日差しを遮るものではありませんが樹齢70年近い杉や桧が聳えある種の偉容でありよく言えば存在感がる悪く言えば圧迫感がありました。 それとそれら大型の樹木のおかげで空がだいぶ遮られていました。
あの世のじい様に相談
祖父が防風目的とその後の世代に何か役に立つかもしれないという思いで植えた杉・桧なので伐採することは悩みました。しかし杉・桧はさらに成長します。 キャンプサイトは長く運営しようと考えています。 息子の代にはさらに成長するでしょう。 キャンプサイトが新たに造成された後で切るのはさらに手間とお金がかかります。 今木材の価格が上がっているので伐採して売った木材代で伐採作業の費用が賄えるかもしれません。 そのようなことを考え合わせ私の代で切ることにしました。 仏壇のじい様にそのような内容を報告しました。 じい様は「この土地をよりよく活用するのであればわしは伐採に賛成する。」と言ったように思えました。 さっそく近所の業者に伐採を依頼しました。
ちょっとややこしい話
しかし少しややこしい話があり ます。 我が家の敷地は自衛隊の演習場に隣接しています。そのため防衛庁と境界を確認する必要がありました。 それで近所の自衛隊管理事務所に相談に赴きこころよく対応に動いていただきました。 数日内に防衛庁のしかるべき部署から確認に来られ我が家の敷地と防衛庁の敷地の境界線を確認いただきました。 これで境界ははっきりしたものの何と3本ほどの桧と杉がぎり防衛庁敷地となりました。 残念ですが勝手に切れないので改めて防衛庁に伐採のお願いをしました。
伐採開始
12月23日から伐採を開始しました。 途中悪天候や正月が入りましたので昨年内には終わらず1月10日から再開しました。 途中の状況を見ながら倒す木を業者と相談しながら決めて作業を進めました。 大型の樹木を伐採し山から引き出す作業をまじかで見るのは初めてでした。
伐採作業は危険な仕事
伐採作業をまじかで見ていてこれは命に係わる危険な仕事だと思いました。 作業を依頼した業者は地元の後輩です。私より2歳年下で61歳の男性です。 小学生の頃の記憶しかありませんでしたが小さいころは体も小さく鼻たれでぼおーっとしていた(失礼)イメージでしたが仕事ぶりや話す内容聞いていると昔の面影はありません。
長年一人で伐採事業をやっているとのこと。 仕事の内容では人を雇うこともあるが大部分一人でやるとのことでした。 場所次第では切りにくい場所があります。 今回は自宅が近いので慎重に倒す方向を考えその方向にちゃんと倒れるようにしなければなりません。
木によっては枝が均等につかず偏っている場合があります。 特に外側に生えている木は外側に枝が生えているのでそのままでは外側が重いのでそちらに倒れます。 倒したい方向に倒すには枝落としをして重量配分を調整します。 さらに固定した機械からワイヤを貼ります。 ワイヤは他の木を経由し倒したい木に接続し機械でさらにワイヤを貼ります。 それからチェンソーで切り込みを入れながら楔を打ち込みさらにチェンソーで切り込みを入れるという作業を繰り返します。
そのうち木の先端が少し揺らめきだします。 そのまま少し待つと木はゆっくりと狙った方向に倒れ始めます。 倒れながらだんだん加速度がつきズドーンという重い音と爆風を巻き上げ倒れます。 見事な最後です。
仕事が人を作る
彼の仕事ぶりはとても慎重ですがよく手順が考えられて着実に仕事がすすめられています。 準備は入念で道具を大切にしています。 彼と話しをしているとふと考えさせられと言葉を発します。 長年この危険な仕事を一人で事故なく続け家庭を設け無事子供も育て上げた男としての経験が彼を育て、地に足のついた含蓄ある言葉を発せるのだと思いました。 移り変わりの激しい世の処世の心構えとして、「世の中いいこと悪いことの繰り返し悪いときにはその中で工夫して生きいいときが来るのをまて」「焦らず落ち着いて構えろ急がば回れ」など 昔の洟垂れ小僧ではありませんでした。
そんなこんなで1月20日ごろには作業が終わり北側の空は随分広がり明るい感じになります。